経静脈的糖負荷試験による胃癌患者の耐糖能に関する検討

胃癌症例34例に経静脈的糖負荷試験を施行し, その成績をstage別, 癌腫の大きさ別に比較検討した. stage別ではstage I, II, III, IVの4群に, また癌腫の大きさ別では早期癌をA群, 進行癌を腫瘍長径が5cm以内をB群, 5~10cmをC群, 10cm以上をD群の4群に分けた. 血糖値はstage III, IVおよびC群がそれぞれstage I, A群にくらべ有意に高値を示した. IRIはC群, D群がA群にくらべ有意に低値を示した. Insulinogenic IndexはC, D群が, ΣIRIはD群がA群にくらべ有意に低値を示した. 以上, stage III...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 20; no. 10; pp. 2313 - 2316
Main Authors 近藤, 高志, 桜井, 秀樹, 松本, 文夫, 小出, 真, 中川, 浩之, 松本, 俊彦, 前川, 武男, 渡部, 洋三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1987
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Summary:胃癌症例34例に経静脈的糖負荷試験を施行し, その成績をstage別, 癌腫の大きさ別に比較検討した. stage別ではstage I, II, III, IVの4群に, また癌腫の大きさ別では早期癌をA群, 進行癌を腫瘍長径が5cm以内をB群, 5~10cmをC群, 10cm以上をD群の4群に分けた. 血糖値はstage III, IVおよびC群がそれぞれstage I, A群にくらべ有意に高値を示した. IRIはC群, D群がA群にくらべ有意に低値を示した. Insulinogenic IndexはC, D群が, ΣIRIはD群がA群にくらべ有意に低値を示した. 以上, stage III以上, 腫瘍径5cm以上の進行癌で耐糖能低下が認められた. この耐糖能低下の原因として癌患者の栄養低下による影響が大きいと考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.20.2313