予後良好なss胆嚢癌の条件 ss浸潤部の最大径からみた予後
目的: ss胆嚢癌切除例の予後因子を検討し, ss浸潤部の水平方向最大径が予後因子となるかどうかを検討する. 対象と方法: 1975年6月から2002年9月までに当院で切除された胆嚢癌69例中, 深達度ssでhinf1aを含みbinf (+) を除外した28例を対象に病理組織学的結果と予後との関連を検討した. 結果: 男性6例, 女性22例, 平均年齢67.6歳 (45~82歳). 平均観察期間5.1年 (0.5~27.3年), 術死, 他病死を含む5年生存率は48.0%であった. 各術式間の予後に差はなかった. 肉眼型では乳頭膨張型, 結節膨張型, 組織型ではpap, tub1, 占居部位で...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 11; pp. 1652 - 1658 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2005
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.38.1652 |
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Summary: | 目的: ss胆嚢癌切除例の予後因子を検討し, ss浸潤部の水平方向最大径が予後因子となるかどうかを検討する. 対象と方法: 1975年6月から2002年9月までに当院で切除された胆嚢癌69例中, 深達度ssでhinf1aを含みbinf (+) を除外した28例を対象に病理組織学的結果と予後との関連を検討した. 結果: 男性6例, 女性22例, 平均年齢67.6歳 (45~82歳). 平均観察期間5.1年 (0.5~27.3年), 術死, 他病死を含む5年生存率は48.0%であった. 各術式間の予後に差はなかった. 肉眼型では乳頭膨張型, 結節膨張型, 組織型ではpap, tub1, 占居部位では体底部限局例, ly, v, pn, hmはいずれも陰性例が良好であったが有意差はなかった. em, bm陽性例はいずれも有意に予後不良で, n (+) の7例も有意に予後不良であった. INFαの5生率は83.3%と有意に予後良好であったが, 1例がn (+) で11か月後に癌死した. ss浸潤部の水平方向最大径10mm未満8例の5生率は83.3%と, 10mm以上 (34.3%) より有意に予後良好で, 死亡した1例はbm陽性で追加手術の許されなかった症例であった. 考察: 予後良好なss胆嚢癌の条件としてINFα, 浅いss浸潤などが報告されているが, 今回の検討ではss浸潤部の水平方向最大径10mm未満が予後良好な条件であった. EUSなどによるss浸潤の術前診断はある程度可能との報告もあり, 術式選択の際に有用な指標となりえると考えられた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.38.1652 |