回腸嚢肛門吻合術を施行した小児潰瘍性大腸炎の検討
潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis; 以下, UC) では小児期に手術を行うことが少なくないが, 学業への影響, 手術適応, 成長障害など小児特有の問題がある. 当科で1987~2004年の間に小児期 (15歳未満) に初回手術を施行したUC8例について検討した. 手術は全例2期あるいは3期分割で大腸全摘, 回腸肛門吻合 (ileo-anal anastomosis; 以下, IAA) 術を行った. 手術適応は重症4例, 難治3例, 出血1例で緊急手術となった例は5例であった. 術前平均総ステロイド投与量は9,855mgであった. 術後早期合併症は創感染3例のみで, 晩期合併...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 41; no. 12; pp. 2087 - 2091 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2008
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Summary: | 潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis; 以下, UC) では小児期に手術を行うことが少なくないが, 学業への影響, 手術適応, 成長障害など小児特有の問題がある. 当科で1987~2004年の間に小児期 (15歳未満) に初回手術を施行したUC8例について検討した. 手術は全例2期あるいは3期分割で大腸全摘, 回腸肛門吻合 (ileo-anal anastomosis; 以下, IAA) 術を行った. 手術適応は重症4例, 難治3例, 出血1例で緊急手術となった例は5例であった. 術前平均総ステロイド投与量は9,855mgであった. 術後早期合併症は創感染3例のみで, 晩期合併症は腸閉塞2例, 重症pouchitis, 回腸瘻狭窄, 吻合部狭窄をそれぞれ1例ずつ (重複含む) 認めた. 重篤な合併症は認めなかった. 手術後の排便機能は良好であり, また成長障害は認めず, 現在頻回の通院を要している例は1例のみであり学業・就労への影響もほとんどないものと思われた. 小児UCに対するIAAは良好な結果であった. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.41.2087 |