QT延長に伴う多形性心室性頻拍 (torsade de pointes) 症例の検討

当科にて過去5年間にQT延長に伴うtorsadedepointes (TdP) を6例経験した。全例, 抗不整脈剤の投与例で, プロカインアミド1例, アプリンジン1例, ジンピラミド3例, ピルメノール1例であった。3例で薬剤の血中濃度を測定したが治療域より高値ではなかった。TdPの発症は必ずしも薬剤投与後早期とは限らず, 比較的長期投与後に発症したものもあった。背景として2例に心不全, 3例に利尿剤, 食欲不振などによる低カリウム血症が認められた。治療として起因薬剤の中止, カリウム補正などのほかに2例に硫酸マグネシウムの静注を施行し, 全例軽快退院した。抗不整脈剤などの投与例では長期投与...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 46; no. 5; pp. 809 - 813
Main Authors 山崎, 総一郎, 宗盛, 真, 尾形, 聡, 大林, 諒人, 本藤, 達也, 櫻井, 穣司, 好川, 基大, 森島, 信行, 日野, 文明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 30.01.1998
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.46.809

Cover

More Information
Summary:当科にて過去5年間にQT延長に伴うtorsadedepointes (TdP) を6例経験した。全例, 抗不整脈剤の投与例で, プロカインアミド1例, アプリンジン1例, ジンピラミド3例, ピルメノール1例であった。3例で薬剤の血中濃度を測定したが治療域より高値ではなかった。TdPの発症は必ずしも薬剤投与後早期とは限らず, 比較的長期投与後に発症したものもあった。背景として2例に心不全, 3例に利尿剤, 食欲不振などによる低カリウム血症が認められた。治療として起因薬剤の中止, カリウム補正などのほかに2例に硫酸マグネシウムの静注を施行し, 全例軽快退院した。抗不整脈剤などの投与例では長期投与中であってもTdp発症に留意が必要である。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.46.809