ジャイロボールのドラッグクライシス
高速度ビデオカメラを用いてピッチングマシンにより投球された硬式野球ボールの軌道と回転状態を撮影し, その映像を解析して抗力係数を求めた. 市販のピッチングマシンをジャイロボール (ライフルスピンボール) が投球できるように改良し, 測定に用いた. 測定は0.6×105<Re<2.5×105およびスピンパラメーターSP≈0.12, 0.23, 0.35で行った.回転軸に対する相対的な縫い目 (シーム) の配置に応じて, 2シームジャイロボールと4シームジャイロボールに分類した.4シームの抗力係数は全てのSPにおいてRe数とともに徐々に減少するのに対し, SP≈0.12, 0.23の2...
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Published in | 日本流体力学会誌「ながれ」 Vol. 27; no. 5; pp. 403 - 409 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本流体力学会
25.10.2008
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ISSN | 0286-3154 2185-4912 |
DOI | 10.11426/nagare1982.27.403 |
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Summary: | 高速度ビデオカメラを用いてピッチングマシンにより投球された硬式野球ボールの軌道と回転状態を撮影し, その映像を解析して抗力係数を求めた. 市販のピッチングマシンをジャイロボール (ライフルスピンボール) が投球できるように改良し, 測定に用いた. 測定は0.6×105<Re<2.5×105およびスピンパラメーターSP≈0.12, 0.23, 0.35で行った.回転軸に対する相対的な縫い目 (シーム) の配置に応じて, 2シームジャイロボールと4シームジャイロボールに分類した.4シームの抗力係数は全てのSPにおいてRe数とともに徐々に減少するのに対し, SP≈0.12, 0.23の2シームの抗力係数は2段階に減少し, Re<2.2×105及び1.8×105でそれぞれ極小値を取った. SP=0.35では, Re<1. 3×105の領域で一定値となり, Re>1.3×105ではRe数とともに減少し, Re≈1.6×105で極小値を取った. これらの測定結果はジャイロボールのドラッグクライシスを捉えたものである. また, シームの違いに応じて, 明確に異なるRe数依存性が見られた. |
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ISSN: | 0286-3154 2185-4912 |
DOI: | 10.11426/nagare1982.27.403 |