インスタントティーの水分定量法

各種インスタントティーの水分定量法を確立するため,カールフィッシャー法,減圧乾燥法,および常圧乾燥法について比較検討し,つぎのような結果を得た。 (1) インスタント煎茶の水分は,カールフィッシャー法により常温でメタノール抽出を20分行ない滴定することによって定量することができ,また再現性も非常にすぐれている。減圧乾燥法では,水銀柱5mm以下の減圧下で,五酸化リンを乾燥剤として用い,70℃にて5時間乾燥して得られる定量値が,また常圧乾燥法では100℃にて1.5時間乾燥して得られる定量値がカールフィッシャー法の定量値とまったく一致した。 (2) インスタントほうじ茶の水分は,カールフィッシャー法...

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Published in日本食品工業学会誌 Vol. 11; no. 8; pp. 317 - 320
Main Authors 原, 利男, 久保田, 悦郎, 古谷, 弘三
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 日本食品科学工学会 15.08.1964
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Summary:各種インスタントティーの水分定量法を確立するため,カールフィッシャー法,減圧乾燥法,および常圧乾燥法について比較検討し,つぎのような結果を得た。 (1) インスタント煎茶の水分は,カールフィッシャー法により常温でメタノール抽出を20分行ない滴定することによって定量することができ,また再現性も非常にすぐれている。減圧乾燥法では,水銀柱5mm以下の減圧下で,五酸化リンを乾燥剤として用い,70℃にて5時間乾燥して得られる定量値が,また常圧乾燥法では100℃にて1.5時間乾燥して得られる定量値がカールフィッシャー法の定量値とまったく一致した。 (2) インスタントほうじ茶の水分は,カールフィッシャー法により常温でメタノール抽出を30分行ない,滴定すること,減圧乾燥法では煎茶同様の条件で定量すること,常圧乾燥法では100℃にて2時間乾燥することにより定量できる。 (3) インスメント紅茶の水分は,カールフィッシャー法によりほうじ茶同様の条件で定量できる。減圧乾燥法によっては,水銀柱5mm以下の減圧下で,五酸化リンを乾燥剤として用い,65℃にて5時間乾燥して得られる定量値が,また常圧乾燥法では95℃にて2時間乾燥して得られる定量値がカールフィッシャー法の定量値と比較的よく一致した。
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.11.317