日本文学・日本語学分野における学会発表と学会誌掲載論文 発表実施学会と論文掲載媒体の関連性

本研究の目的は、日本文学・日本語学分野の学会発表と学会誌掲載論文の関連性を検証することである。最初に、学会発表の内容を論文として出版する割合である論文化率の調査を行った。調査対象は当該分野の主要 6 学会で 2010 年~2014 年に発表された 685 件であり、論文化率は 41.5%であった。次に、学会誌掲載論文の内容が学会発表を経ている割合である発表実施率の調査を行った。調査対象は前述の主要 6 学会発行の学会誌に 2010 年~2019 年に掲載された論文 571 本であり、発表実施率は 58.5%であった。両者のデータを統合すると、論文化率と発表実施率が共に高い学会と学会誌の組み合わ...

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Published in情報メディア研究 Vol. 22; no. 1; pp. 49 - 67
Main Author 山西(増井), 史子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 情報メディア学会 06.10.2023
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ISSN1348-5857
1349-3302
DOI10.11304/jims.22.49

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Summary:本研究の目的は、日本文学・日本語学分野の学会発表と学会誌掲載論文の関連性を検証することである。最初に、学会発表の内容を論文として出版する割合である論文化率の調査を行った。調査対象は当該分野の主要 6 学会で 2010 年~2014 年に発表された 685 件であり、論文化率は 41.5%であった。次に、学会誌掲載論文の内容が学会発表を経ている割合である発表実施率の調査を行った。調査対象は前述の主要 6 学会発行の学会誌に 2010 年~2019 年に掲載された論文 571 本であり、発表実施率は 58.5%であった。両者のデータを統合すると、論文化率と発表実施率が共に高い学会と学会誌の組み合わせがあり、論文化率と発表実施率の相関係数からも関連性の強さが確認できた。それ故、発表学会の主催と論文掲載誌の編集が同一学会である「回帰型」と、発表を実施した学会と論文掲載誌に直接関係が無い「非回帰型」の区別が重要であると結論づけた。
ISSN:1348-5857
1349-3302
DOI:10.11304/jims.22.49