高分子/無機粒子複合系溶融体のせん断および伸長流動における時間-温度換算則の適用

本研究ではチタン酸カリウムウイスカーを充填したポリスチレン溶融体の動的粘弾性, 定常せん断粘度および一軸伸長粘度を140~250℃の範囲で測定し, 時間-温度換算則を適用した. 動的粘弾性の高周波側が一致するように, そして一軸伸長粘度の線形領域が一致するように決定した移動係数αTはウイスカーの充填量や変形様式に依存せず同じWLF式で表すことができた. 一軸伸長粘度の線形領域では短時間側の増加傾向および長時間側の定常値ともに良好に1本のマスターカーブに一致し, 高分子/無機粒子複合系の一軸伸長粘度の線形領域において換算則が成立することを確認した. また, 非線形強度の換算ひずみ速度依存性より,...

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Published in高分子論文集 Vol. 52; no. 8; pp. 478 - 483
Main Authors 小林, 正俊, 高橋, 辰宏, 南川, 慶二, 滝本, 淳一, 小山, 清人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.08.1995
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Summary:本研究ではチタン酸カリウムウイスカーを充填したポリスチレン溶融体の動的粘弾性, 定常せん断粘度および一軸伸長粘度を140~250℃の範囲で測定し, 時間-温度換算則を適用した. 動的粘弾性の高周波側が一致するように, そして一軸伸長粘度の線形領域が一致するように決定した移動係数αTはウイスカーの充填量や変形様式に依存せず同じWLF式で表すことができた. 一軸伸長粘度の線形領域では短時間側の増加傾向および長時間側の定常値ともに良好に1本のマスターカーブに一致し, 高分子/無機粒子複合系の一軸伸長粘度の線形領域において換算則が成立することを確認した. また, 非線形強度の換算ひずみ速度依存性より, 換算則が均一系および複合系の非線形領域においても成立すること示す結果を得た. ポリスチレン/ウイスカー複合系においてもせん断粘度と一軸伸長粘度の線形領域にTrouton則が成立した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.52.478