第4級ジアルキルアンモニウムを用いた新規自己組織性有機/無機層状化合物の合成

有機カチオン種にジラウリルジメチルアンモニウムカチオン, およびハロゲン化金属種に臭化鉛を用いて, 新規自己組織性有機/無機ハイブリッド化合物の合成を試み, それに関して構造解析および光学測定を行った. 粉末X線回折から, 合成された化合物は層状構造に特有の回折パターンを示し, 新規2次元層状構造が構築されたことを確認した. また, この化合物はスピンコート法により容易に薄膜を作製できることがわかった. このスピンコート膜は化合物のもつ高い自己組織性のために, 薄膜作製後も自己組織化が進行し, 粉末試料と同様の回折パターンをもつ多結晶薄膜を形成することが明らかとなった. この薄膜の吸収スペクト...

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Published in高分子論文集 Vol. 57; no. 4; pp. 208 - 213
Main Authors 手島, 健次郎, 狩野, 聡, 陸川, 政弘, 讃井, 浩平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.04.2000
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Summary:有機カチオン種にジラウリルジメチルアンモニウムカチオン, およびハロゲン化金属種に臭化鉛を用いて, 新規自己組織性有機/無機ハイブリッド化合物の合成を試み, それに関して構造解析および光学測定を行った. 粉末X線回折から, 合成された化合物は層状構造に特有の回折パターンを示し, 新規2次元層状構造が構築されたことを確認した. また, この化合物はスピンコート法により容易に薄膜を作製できることがわかった. このスピンコート膜は化合物のもつ高い自己組織性のために, 薄膜作製後も自己組織化が進行し, 粉末試料と同様の回折パターンをもつ多結晶薄膜を形成することが明らかとなった. この薄膜の吸収スペクトルからは自己組織化により形成された無機領域に帰属される吸収が352.5nm付近に観察され, 粉末試料の蛍光測定からはその吸収帯からであると考えられる発光が認められた. これらは, 新規量子閉じ込め構造の構築を示唆する結果と考えられる.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.57.208