徒手療法 筋筋膜摩擦伸張法

筋肉痛を主訴とする筋筋膜性疼痛症候群は筋に限局した硬い結節様またはバンド様の硬結を有することを特徴とする。通常, 硬結は圧痛点を有し, その圧痛点への機械的刺激は関連痛や異常感覚などの症状を広範な部位に生じる。麻酔下にて存続することがある硬結は神経原性の筋緊張亢進とは区別され, 他の病態生理学的機序が想定されている。実験的に筋肉痛の一因として筋収縮と阻血が同時に発生することが挙げられており, 本稿では筋原性の関節可動域制限の原因の中でも難治性である筋の硬結をとりあげ, 筋硬結の除去をその主な治療目的とする仮説に基づき, その目的を達成する理学療法の一手段としての筋伸張法と深部摩擦法について総説...

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Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 16; no. 3; pp. 177 - 182
Main Author 辻󠄀井, 洋一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 10.05.1989
公益社団法人日本理学療法士協会
Japanese Physical Therapy Association (JPTA)
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00001305947

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Summary:筋肉痛を主訴とする筋筋膜性疼痛症候群は筋に限局した硬い結節様またはバンド様の硬結を有することを特徴とする。通常, 硬結は圧痛点を有し, その圧痛点への機械的刺激は関連痛や異常感覚などの症状を広範な部位に生じる。麻酔下にて存続することがある硬結は神経原性の筋緊張亢進とは区別され, 他の病態生理学的機序が想定されている。実験的に筋肉痛の一因として筋収縮と阻血が同時に発生することが挙げられており, 本稿では筋原性の関節可動域制限の原因の中でも難治性である筋の硬結をとりあげ, 筋硬結の除去をその主な治療目的とする仮説に基づき, その目的を達成する理学療法の一手段としての筋伸張法と深部摩擦法について総説した。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001305947