北海道空知地域の夏季ハウス栽培におけるフルオープンハウスの導入による暑熱対策の効果

北海道空知地域のパイプハウスを利用した夏季の施設園芸に, 暑熱対策としてフルオープンハウスを導入した場合の効果を確認することを目的に, フルオープンハウスと慣行型ハウスの環境を比較した。フルオープンハウス内の気温は慣行型ハウスに比べ, 5℃以上低く抑えられる場合があった。フルオープンハウス内の気温が30℃を超える延べ時間は, 慣行型ハウスのおよそ1/3に短縮された。熱中症予防の指標として用いられるWGBT (湿球黒球温度) で比較しても, 厚生労働省が果実・野菜を摘む等の作業について熱に順化している人を対象に示す基準値28℃を超える延べ時間がおよそ1/3に短縮された。 フルオープンハウスは既存...

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Published in農業施設 Vol. 39; no. 4; pp. 303 - 309
Main Authors 向, 弘之, 古原, 洋, 水田, 康雄, 松田, 周, 大下, 泰生
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 農業施設学会 25.03.2009
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Summary:北海道空知地域のパイプハウスを利用した夏季の施設園芸に, 暑熱対策としてフルオープンハウスを導入した場合の効果を確認することを目的に, フルオープンハウスと慣行型ハウスの環境を比較した。フルオープンハウス内の気温は慣行型ハウスに比べ, 5℃以上低く抑えられる場合があった。フルオープンハウス内の気温が30℃を超える延べ時間は, 慣行型ハウスのおよそ1/3に短縮された。熱中症予防の指標として用いられるWGBT (湿球黒球温度) で比較しても, 厚生労働省が果実・野菜を摘む等の作業について熱に順化している人を対象に示す基準値28℃を超える延べ時間がおよそ1/3に短縮された。 フルオープンハウスは既存のハウスを自家施工により改造することで低コストな導入が可能であり, 導入に要する材料費は奥行50mのハウス1棟あたり約20万円であった。
ISSN:0388-8517
2186-0122
DOI:10.11449/sasj1971.39.303