乳癌検診における乳頭分泌細胞診

乳癌検診の課題は, 早期乳癌を発見することである。現在, 乳癌検診は視触診および分泌細胞診を行っている。1989~95年までに乳頭分泌細胞診385例を経験し, そのうち病理組織学的に検討できた84例について検討したので報告する。乳癌症例は, Class I, II58例中8例 (13.8%), Class III13例中4例 (30.8%), Class V 11例中11例 (100%) であった。これらの分泌細胞診の診断能は, sensitivity 66.7%, specificity 83.1%, accuracy 78.3%であった。また, 同時に行った乳頭分泌に対する潜血反応の診断能...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 6; no. 2; pp. 207 - 210
Main Authors 吉田, 友子, 菅, 記博, 古賀, 稔啓, 弥永, 浩, 杉島, 節夫, 横山, 俊朗, 青山, 祐子, 白水, 和雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 20.06.1997
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ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.6.207

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Summary:乳癌検診の課題は, 早期乳癌を発見することである。現在, 乳癌検診は視触診および分泌細胞診を行っている。1989~95年までに乳頭分泌細胞診385例を経験し, そのうち病理組織学的に検討できた84例について検討したので報告する。乳癌症例は, Class I, II58例中8例 (13.8%), Class III13例中4例 (30.8%), Class V 11例中11例 (100%) であった。これらの分泌細胞診の診断能は, sensitivity 66.7%, specificity 83.1%, accuracy 78.3%であった。また, 同時に行った乳頭分泌に対する潜血反応の診断能は, sensitivity 100%, specificity 44.8%, accuracy は68.3%であった。また, 84例中24例が乳癌症例で, TO症例を5例認め, これらは分泌細胞診全例陽性であった。乳汁分泌を主訴に来院し, 視触診, 超音波, マンモグラフィに精査にて発見できた症例が19例あった。乳癌検診において視触診が中心である現在, それの簡便な補助的診断として分泌細胞診は, 正診率は劣るものの乳汁分泌を契機として発見できるTO症例を引き上げるには重要な方法と考える。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.6.207