右肺尖支の気管気管支を伴った肺静脈走行異常の1例

症例は28歳の男性. 胸部X線写真上右中肺野にループ状の血管様異常陰影を指摘され, 精査のため当科に入院した. 肺血管造影を施行したところ, 静脈相になってはじめて異常陰影に相当する異常血管が描出された. その走行は右上葉内側から出現し, 前方外側へ下降し, 中葉上部で迂曲蛇行しながらループを形成し上方に転した後, 左房へ還流しており, 肺静脈走行異常と診断した. その他, 右肺尖静脈の部分的狭窄を認めた. また, 右肺尖支は気管から分岐していた. 肺静脈走行異常は肺静脈系の先天性異常の中でも極めて稀な疾患である....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 30; no. 9; pp. 1777 - 1780
Main Authors 石川, 和彦, 田口, 禎一郎, 関谷, 達人, 久保, 義一, 河野, 修興, 日和田, 邦男, 船田, 淳一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.09.1992
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.30.1777

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Summary:症例は28歳の男性. 胸部X線写真上右中肺野にループ状の血管様異常陰影を指摘され, 精査のため当科に入院した. 肺血管造影を施行したところ, 静脈相になってはじめて異常陰影に相当する異常血管が描出された. その走行は右上葉内側から出現し, 前方外側へ下降し, 中葉上部で迂曲蛇行しながらループを形成し上方に転した後, 左房へ還流しており, 肺静脈走行異常と診断した. その他, 右肺尖静脈の部分的狭窄を認めた. また, 右肺尖支は気管から分岐していた. 肺静脈走行異常は肺静脈系の先天性異常の中でも極めて稀な疾患である.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.30.1777