心拍応答型ペースメーカーの検討 適応と問題点

心拍応答型ペースメーカーを62症例に使用した。44例ではVVIに使用し, 18例ではAAIとして使用した。心拍応答VVIによって症状の改善をみたものは70%であった。心房収縮の全左室流入に対する比は若年者では少く, DDDから心拍応答VVIに変更した若年者例では運動耐容能に変化は見られなかった。心房収縮の関与は年齢とともに増加することより, 若年者で心室拡張能の良好な症例は, 心拍応答心室ペーシングで良好な結果がえられる。心室拡張能の低下した症例ほど心房収縮の関与が有効となるDDDペースメーカーの適応である。洞不全症候群で高頻度にみられる室房逆行性伝導を有する症例では, 心拍応答心室ペーシング...

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Published in人工臓器 Vol. 17; no. 3; pp. 1214 - 1217
Main Authors 柵木, 隆志, 竹内, 栄二, 阿部, 稔雄, 渡辺, 孝, 石原, 智嘉, 村瀬, 允也, 田中, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.06.1988
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.17.1214

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Summary:心拍応答型ペースメーカーを62症例に使用した。44例ではVVIに使用し, 18例ではAAIとして使用した。心拍応答VVIによって症状の改善をみたものは70%であった。心房収縮の全左室流入に対する比は若年者では少く, DDDから心拍応答VVIに変更した若年者例では運動耐容能に変化は見られなかった。心房収縮の関与は年齢とともに増加することより, 若年者で心室拡張能の良好な症例は, 心拍応答心室ペーシングで良好な結果がえられる。心室拡張能の低下した症例ほど心房収縮の関与が有効となるDDDペースメーカーの適応である。洞不全症候群で高頻度にみられる室房逆行性伝導を有する症例では, 心拍応答心室ペーシングは禁忌である。洞不全症候群の運動負荷時心拍数上昇は少く, 心拍応答心房ペーシングが適応であり, 心拍数, 血中乳酸, 血中アドレナリンの測定により, その有用性が明らかとなった。Activityによる心拍応答心房ペーシングでは, 心房電極による心室電位感知が発生し, 不応期の改善が必要である。Q-T時間による心拍応答型では, 交換例でT波の感知不全がみられ, T波感知の改善が望まれる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.17.1214