十二指腸乳頭部癌手術症例の検討 進展様式と予後の関係について

乳頭部癌27例の手術成績から進展様式と予後の関係について検討した, 肉眼型では腫瘤型が予後良好で特に非露出腫瘤型は長期生存例が多く, 潰瘍型はd2, panc2以上となって予後不良であった. 組織学的検討ではn0d0panc0は早期癌として長期生存が期待できる. 因子別では膵浸潤例, 十二指腸浸潤例の順に予後不良でリンパ節転移については一定傾向は認めず, むしろ他因子に左右された. 肉眼的進行度を過小評価した7例中D1, Panc1とした症例は予後の面からもD2, Panc2とすべき症例であり, 膵あるいは十二指腸浸潤が疑わしい潰瘍型の症例はD2, Panc2として対処すべきであると考察された...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 20; no. 8; pp. 1858 - 1862
Main Authors 市場, 康之, 田中, 恒夫, 藤井, 康史, 清光, 六郎, 児玉, 治, 浅原, 利正, 松山, 敏哉, 西亀, 正之, 土肥, 雪彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1987
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Summary:乳頭部癌27例の手術成績から進展様式と予後の関係について検討した, 肉眼型では腫瘤型が予後良好で特に非露出腫瘤型は長期生存例が多く, 潰瘍型はd2, panc2以上となって予後不良であった. 組織学的検討ではn0d0panc0は早期癌として長期生存が期待できる. 因子別では膵浸潤例, 十二指腸浸潤例の順に予後不良でリンパ節転移については一定傾向は認めず, むしろ他因子に左右された. 肉眼的進行度を過小評価した7例中D1, Panc1とした症例は予後の面からもD2, Panc2とすべき症例であり, 膵あるいは十二指腸浸潤が疑わしい潰瘍型の症例はD2, Panc2として対処すべきであると考察された.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.20.1858