早期胃癌のリンパ節転移様式と術中肉眼判定に関する研究

• Published in: 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 20; no. 9; pp. 2093 - 2096
• Main Authors: 岡村, 健, 辻谷, 俊一, 馬場, 秀夫, 原口, 勝, 是永, 大輔, 平本, 陽一朗, 大野, 真司, 杉町, 圭蔵
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器外科学会 1987
• Subjects: リンパ節転移の術中肉眼診断; リンパ節転移様式; 早期胃癌
• ISSN: 0386-9768; 1348-9372
• DOI: 10.5833/jjgs.20.2093

早期胃癌370例を対象とし, リンパ節転移様式と転移リンパ節の大きを検索し, リンパ節転移の術中肉眼診断について検討した.転移リンパ節98個の転移様式と個数, 平均長径, 術中肉眼正診率は, 辺縁洞型30個, 6.1mm, 20%, 部分的髄内洞型37個, 7.5mm, 21.6%, 広範囲髄内洞型11個, 6.6mm, 27.3%, 小結節型3個, 7.7mm, 33.3%, 大結節型17個, 8.4mm, 17.6%であり, 転移のないリンパ節1,086個の平均長径は4.5mm, 術中肉眼正診率は97.6%であった.転移リンパ節の長径別術中肉眼正診率は5mm未満13.9%, 5～10mm17.5%, 10～15mm20.0%, 15mm以上58.3%と15mm未満の正診率が低かった.以上より術中肉眼診断を基にしたリンパ節の温存は転移を残す危険性が大きいことが示唆された.