肝外胆管内発育を伴う肝内胆管癌の2例

肝外胆管内発育を伴った肝内胆管癌2例を経験したので報告する. 症例1は46歳の女性で, 易疲労感, 食欲不振で発症した.画像上, 肝左葉内側区域に径6cmの結節を形成し, 同区域の肝内胆管から総胆管内に発育する腫瘍が認められたため, 拡大肝左葉切除および肝外胆管切除術を施行した.切除標本の病理所見では胆管細胞癌であり, 胆管内発育は総胆管下部に達していた. 症例2は63歳の男性で, 肝左葉外側区域に肺内門脈枝および胆管への浸潤を伴う径7cmの腫瘍を認め, 肝左葉切除および尾状葉部分切除術を施行した.切除標本では胆管細胞癌であり, 肝外側区域における結節形成と, 総肝管に達する胆管内発育が認めら...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 9; pp. 1996 - 2000
Main Authors 清水, 秀昭, 那須, 二郎, 松井, 淳一, 稲田, 高男, 尾澤, 巌, 安藤, 二郎, 固武, 健二郎, 菱沼, 正一, 尾形, 佳郎, 落合, 秀人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1998
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.31.1996

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Summary:肝外胆管内発育を伴った肝内胆管癌2例を経験したので報告する. 症例1は46歳の女性で, 易疲労感, 食欲不振で発症した.画像上, 肝左葉内側区域に径6cmの結節を形成し, 同区域の肝内胆管から総胆管内に発育する腫瘍が認められたため, 拡大肝左葉切除および肝外胆管切除術を施行した.切除標本の病理所見では胆管細胞癌であり, 胆管内発育は総胆管下部に達していた. 症例2は63歳の男性で, 肝左葉外側区域に肺内門脈枝および胆管への浸潤を伴う径7cmの腫瘍を認め, 肝左葉切除および尾状葉部分切除術を施行した.切除標本では胆管細胞癌であり, 肝外側区域における結節形成と, 総肝管に達する胆管内発育が認められた. 同様な発育形態を示した肝内胆管癌の報告例は過去1例のみであり, 非常にまれである.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.31.1996