重症心不全に対する補助循環 Muscle powered pumpの急性重症心不全への応用

骨格筋ポンプ(SMPP)を補助循環装置として利用する場合, 骨格筋疲労を防止する対策として6~9週間のpreconditioningが必要となるため, 急性重症心不全への応用は困難である. われわれは, 急性循環不全に対して利用可能な補助循環装置として, 交互駆動型SMPPの開発を行った. 至適駆動様式を求めるための基礎的実験として, ロール状にした縫工筋で作製したSMPPの機能を流体力学的に検討した結果, 30分の駆動と休息を繰り返すことによってSMPP機能が維持されることがわかった. 次に, 広背筋(LD)と大胸筋(PM)で作製した一対のロール型と挿入型SMPPについて, 30分交互駆動を...

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Published in人工臓器 Vol. 22; no. 4; pp. 1177 - 1184
Main Authors 古川, 欽一, 藤川, 正, 清水, 宏一, 平山, 哲三, 石丸, 新, 末定, 弘行, 四方, 達郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.08.1993
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.22.1177

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Summary:骨格筋ポンプ(SMPP)を補助循環装置として利用する場合, 骨格筋疲労を防止する対策として6~9週間のpreconditioningが必要となるため, 急性重症心不全への応用は困難である. われわれは, 急性循環不全に対して利用可能な補助循環装置として, 交互駆動型SMPPの開発を行った. 至適駆動様式を求めるための基礎的実験として, ロール状にした縫工筋で作製したSMPPの機能を流体力学的に検討した結果, 30分の駆動と休息を繰り返すことによってSMPP機能が維持されることがわかった. 次に, 広背筋(LD)と大胸筋(PM)で作製した一対のロール型と挿入型SMPPについて, 30分交互駆動を3時間にわたり行った. ロール型では駆動開始後2~3分でポンプ拍出量は低下したが, 挿入型では, 3回目の30分駆動終了直前においてもポンプ拍出量は維持されていた. LDとPMを用いた30分交互駆動式挿入型SMPPはpreconditioningを行わずに循環補助装置として利用できる可能性が示唆された.
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.22.1177