Hybrid Artificial Liverの研究 代謝補助モジュール用接着基質の検討

肝機能補助装置の代謝補助モジュールのリアクターとして遊離肝細胞を使用する場合には、肝細胞の機能を長期間維持するために、極めて効果的な培養系類似のシステムの工夫が必要である。また、モジュールの小型化や効率化を考えると、中空糸型モジュールが有望と考えられる。これらの観点から、接着基質として天然素材のbiomatrixやコラーゲンを、合成基質としてポリスチレン誘導体を検討した。肝細胞の静置培養の状態をみると、biomatrixやコラーゲンでは、細胞は時間経過とともに接着扁平化するが、PVLAではほぼ球形のまま接着生存していたが、培地へのアンモニア, フルクトース負荷試験の成績はほぼ同様であった。エチ...

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Published in人工臓器 Vol. 18; no. 3; pp. 1257 - 1260
Main Authors 葛西, 眞一, 大江, 成博, 柿坂, 明俊, 山本, 哲, 水戸, 廸郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.06.1989
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Summary:肝機能補助装置の代謝補助モジュールのリアクターとして遊離肝細胞を使用する場合には、肝細胞の機能を長期間維持するために、極めて効果的な培養系類似のシステムの工夫が必要である。また、モジュールの小型化や効率化を考えると、中空糸型モジュールが有望と考えられる。これらの観点から、接着基質として天然素材のbiomatrixやコラーゲンを、合成基質としてポリスチレン誘導体を検討した。肝細胞の静置培養の状態をみると、biomatrixやコラーゲンでは、細胞は時間経過とともに接着扁平化するが、PVLAではほぼ球形のまま接着生存していたが、培地へのアンモニア, フルクトース負荷試験の成績はほぼ同様であった。エチレンビニールアルコール, ポリビニールアルコール.ポリスルフォンなどの中空糸膜にコラーグンをコートした場合には、いずれも細胞の接着は良好な傾向を示し、これらの方法がモジュール化に有用と思われた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.18.1257