D-ペニシラミン治療後発症の閉塞性細気管支炎を合併した慢性関節リウマチの1例

症例は56歳女性. 1983年 (49歳) に慢性関節リウマチと診断され, 1990年4月より消炎鎮痛剤に加えD-ペニシラミンを投与された. 同年8月頃から労作時呼吸困難が生じ徐々に増悪した. 胸部X線写真では両側性に淡い間質影があり, 胸部CTでも両側性多発性に中枢側から末梢側に広がるくさび状の陰影を認めた. 血液ガス所見では著明な低酸素血症, 肺機能検査では著しい混合性障害と拡散能の低下を認めた. 開胸肺生検にて細気管支壁の炎症性細胞浸潤と線維化を認めたが, 肺胞隔壁および肺胞内の所見に乏しく, 閉塞性細気管支炎と診断した. D-ペニシラミンを中止し, ステロイド剤治療を行うことにより症状...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 9; pp. 1195 - 1200
Main Authors 草間, 靖方, 小林, 理, 本田, 孝行, 蜂谷, 勤, 森田, 正重, 関口, 守衛, 久保, 恵嗣, 早坂, 宗治, 中川, 佐和子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.09.1993
Subjects
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.31.1195

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Summary:症例は56歳女性. 1983年 (49歳) に慢性関節リウマチと診断され, 1990年4月より消炎鎮痛剤に加えD-ペニシラミンを投与された. 同年8月頃から労作時呼吸困難が生じ徐々に増悪した. 胸部X線写真では両側性に淡い間質影があり, 胸部CTでも両側性多発性に中枢側から末梢側に広がるくさび状の陰影を認めた. 血液ガス所見では著明な低酸素血症, 肺機能検査では著しい混合性障害と拡散能の低下を認めた. 開胸肺生検にて細気管支壁の炎症性細胞浸潤と線維化を認めたが, 肺胞隔壁および肺胞内の所見に乏しく, 閉塞性細気管支炎と診断した. D-ペニシラミンを中止し, ステロイド剤治療を行うことにより症状の進行は止まり, ステロイド剤維持量で在宅酸素療法を行い退院可能となった.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.31.1195