早期胃癌における臨床病理ならびに経過の解析からみた再発例の検討

早期胃癌再発例の臨床病理ならびに経過の解析に加えフッ化ピリミジン系抗癌剤服用の有無と予後にも言及した. 早期胃癌907例中34例 (3.7%) が再発, m癌495例中5例, sm癌412例中29例の内訳を示した. 旧規約による胃癌進行度別症例数はI期10例, II期10例, III期7例, IV期7例に分類されたが, I期の5例が5年以降に再発, うち1例の10年以降にみられた局所再発が注目された. m癌再発の5例全てが隆起型, sm癌では隆起型63例中8例, 混合型の109例中12例に再発が認められた. n (+) の73例中24例 (32.9%) が再発, n0の1.3%に比し頻度は高か...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 7; pp. 1653 - 1659
Main Authors 黒田, 吉隆, 堀川, 直樹, 高田, 理, 長谷部, 健, 川村, 泰一, 津川, 浩一郎, 前田, 基一, 薮下, 和久, 小西, 孝司, 辻, 政彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1995
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Summary:早期胃癌再発例の臨床病理ならびに経過の解析に加えフッ化ピリミジン系抗癌剤服用の有無と予後にも言及した. 早期胃癌907例中34例 (3.7%) が再発, m癌495例中5例, sm癌412例中29例の内訳を示した. 旧規約による胃癌進行度別症例数はI期10例, II期10例, III期7例, IV期7例に分類されたが, I期の5例が5年以降に再発, うち1例の10年以降にみられた局所再発が注目された. m癌再発の5例全てが隆起型, sm癌では隆起型63例中8例, 混合型の109例中12例に再発が認められた. n (+) の73例中24例 (32.9%) が再発, n0の1.3%に比し頻度は高かった. 再発死亡のsm癌29例中14例 (48%) は高分化型で, うち12例が乳頭状腺癌であった. またn0, 脈管侵襲陽性例への抗癌剤の服用は若干高い生存率を示した (p=0.053) が有意差は得られなかった. 以上より肉眼型が隆起や混合型, または組織型が乳頭状腺癌を呈する早期胃癌の手術には, 再発を危ぐした初回手術時の念入りな郭清が必要と考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.28.1653