18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomographyで集積を示した横行結腸間膜Castleman病の1例
症例は78歳の女性で, 下腹部の不快感を主訴に近医を受診し, CTで腹腔内に腫瘍性病変を認めたため当科紹介となった. CTでは臍部の左側方, 前腹壁下に26×22mm大の辺縁明瞭な造影効果の高い軟部腫瘤を認め, 18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography (FDGPET) では腫瘤に一致してstandardized uptake value (SUV) 4.0の中等度の集積を認めた. 開腹所見では, 横行結腸間膜に母指頭大の腫瘤性病変を認め, この部分を含めて結腸部分切除術を施行した. 病変の肉眼検査所見では, 白色の被膜に覆われた径...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 41; no. 8; pp. 1637 - 1642 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.41.1637 |
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Summary: | 症例は78歳の女性で, 下腹部の不快感を主訴に近医を受診し, CTで腹腔内に腫瘍性病変を認めたため当科紹介となった. CTでは臍部の左側方, 前腹壁下に26×22mm大の辺縁明瞭な造影効果の高い軟部腫瘤を認め, 18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography (FDGPET) では腫瘤に一致してstandardized uptake value (SUV) 4.0の中等度の集積を認めた. 開腹所見では, 横行結腸間膜に母指頭大の腫瘤性病変を認め, この部分を含めて結腸部分切除術を施行した. 病変の肉眼検査所見では, 白色の被膜に覆われた径30×20mm, 境界明瞭, 割面が淡褐色充実性の球形腫瘤であった. 病理組織学的検査では, 腫瘤は腫大したリンパ節で, 高度のリンパ濾胞増生, 形質細胞浸潤, 血管壁の硝子化を認めたが, 免疫染色の結果明らかな腫瘍性増生はみられず, 結腸間膜に発生した限局型Castleman病と診断した. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.41.1637 |