農村地域における突然死 DOAおよび剖検による調査

突然死は一般に, 内因性の突然あるいは急性死亡で24時間以内のものと定義されている。突然死は予期せずに中高年層に多発し, 医学的のみならず社会的にも重要な意義がある。そこで全国の厚生連総合病院5施設におけるDOA (病院到着時心呼吸停止例) を中心に調査し, 医療機関からみた突然死の実態を検討した。対象は1993年1月~1993年12月におけるDOA292例と, 1施設8年間の突然死剖検45例である。結果は,(1) DOAは70歳代が最も多く, 70歳以上の高齢者が約半数を占めていた,(2) DOAの原因疾患および基礎疾患は心血管疾患が多く, なかでも虚血性心疾患の頻度が極めて高かった,(3)...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 44; no. 4; pp. 573 - 577
Main Authors 藤原, 秀臣, 松宮, 直樹, 雨宮, 浩, 家坂, 義人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 30.11.1995
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.44.573

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Summary:突然死は一般に, 内因性の突然あるいは急性死亡で24時間以内のものと定義されている。突然死は予期せずに中高年層に多発し, 医学的のみならず社会的にも重要な意義がある。そこで全国の厚生連総合病院5施設におけるDOA (病院到着時心呼吸停止例) を中心に調査し, 医療機関からみた突然死の実態を検討した。対象は1993年1月~1993年12月におけるDOA292例と, 1施設8年間の突然死剖検45例である。結果は,(1) DOAは70歳代が最も多く, 70歳以上の高齢者が約半数を占めていた,(2) DOAの原因疾患および基礎疾患は心血管疾患が多く, なかでも虚血性心疾患の頻度が極めて高かった,(3) DOA発生時の行動様式では, 休息や睡眠などの安静時の頻度が高かった,(4) DOAに対する心肺蘇生は着実に行われているが, 一時蘇生率は26%であった,(5) DOAの予後は不良で, 心拍再開例においても64%は1日以内に死亡している, ことなどが明らかになった。以上のことより, DOAおよび突然死の予知・予防には虚血性心疾患への取り組みが重要であり, DOAの救命率の向上には, 新たな救急医療対策が必要であると考えられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.44.573