異所性静脈瘤  生体肝移植後の肝管空腸吻合部静脈瘤の1例

生体肝移植後の肝管空腸吻合部静脈瘤の1例に対し,経皮経肝的に血管形成術(PTA, percutaneous transluminal angioplasty)を施行したので報告する.症例は27歳女性,2001年に胆道閉鎖症に対し生体部分肝移植術を施行した.術後は経過良好であった.約2年5カ月後に全身倦怠感,めまい,腹痛を訴え入院した.入院後に下血を認めたため,Tc-99m消化管出血シンチグラフィを施行し肝管空腸吻合部静脈瘤破裂と診断した.緊急開腹手術を施行し肝管空腸吻合部空腸の前壁を切開し直視下に破裂静脈瘤を結紮縫合することで止血した.術後全身状態が安定してから待機的にPTAを施行した.その後...

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Published inJapanese Journal of Portal Hypertension Vol. 15; no. 2; pp. 206 - 208
Main Authors Kaneko J, Sugawara T, Sato S, Takemura N, Akahane M, Kokudo N
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本門脈圧亢進症学会 2009
The Japan Society for Portal Hypertension
Subjects
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ISSN1344-8447
2186-6376
DOI10.11423/jsph.15.206

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Summary:生体肝移植後の肝管空腸吻合部静脈瘤の1例に対し,経皮経肝的に血管形成術(PTA, percutaneous transluminal angioplasty)を施行したので報告する.症例は27歳女性,2001年に胆道閉鎖症に対し生体部分肝移植術を施行した.術後は経過良好であった.約2年5カ月後に全身倦怠感,めまい,腹痛を訴え入院した.入院後に下血を認めたため,Tc-99m消化管出血シンチグラフィを施行し肝管空腸吻合部静脈瘤破裂と診断した.緊急開腹手術を施行し肝管空腸吻合部空腸の前壁を切開し直視下に破裂静脈瘤を結紮縫合することで止血した.術後全身状態が安定してから待機的にPTAを施行した.その後5年間,静脈瘤の再発を認めていない.肝移植後の門脈狭窄による門脈圧亢進症に対しPTAは有効であると考え報告する.
ISSN:1344-8447
2186-6376
DOI:10.11423/jsph.15.206