マイクロロボットを用いた生殖補助医療における胚移植補助システムの研究

現在,生殖補助医療により多くの子供が誕生しているが,その胚移植後の妊娠率の低さは患者の大きな負担となっている.胚移植後の妊娠率が低い原因の一つとして,女性の体内に注入された胚が子宮内を浮遊し,着床好適部位から離れて着床に失敗することが考えられる.しかし,この問題点を解決する有効な手法は現時点では存在していない.そこで,本研究では磁場で制御されたマイクロロボットを用いて,胚を適切な着床位置に留める手法を提案する.このことは胚移植後の着床率を高める可能性があり,また,不適切な位置への着床による子宮外妊娠を防止することができる.本手法ではマイクロロボット,カテーテル,外部誘導磁場を用いる.まず,胚を...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S50_1
Main Authors Koseki Susumu, 河村 和弘, 井上 太綬, 生田 幸士, 池内 真志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japanese Society for Medical and Biological Engineering 2019
公益社団法人 日本生体医工学会
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.annual57.s50_1

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Summary:現在,生殖補助医療により多くの子供が誕生しているが,その胚移植後の妊娠率の低さは患者の大きな負担となっている.胚移植後の妊娠率が低い原因の一つとして,女性の体内に注入された胚が子宮内を浮遊し,着床好適部位から離れて着床に失敗することが考えられる.しかし,この問題点を解決する有効な手法は現時点では存在していない.そこで,本研究では磁場で制御されたマイクロロボットを用いて,胚を適切な着床位置に留める手法を提案する.このことは胚移植後の着床率を高める可能性があり,また,不適切な位置への着床による子宮外妊娠を防止することができる.本手法ではマイクロロボット,カテーテル,外部誘導磁場を用いる.まず,胚を収容したマイクロロボットを,カテーテルによって子宮内の着床好適部位に移送する.着床に必要な期間の間(半日から三日程度),外部からの誘導磁場によって,マイクロロボットを着床好適部位に固定する.マイクロロボットはその位置で胚を放出し,保持する.着床に成功したら,再びカテーテルによってマイクロロボットを回収する.本発表では,提案する手法で用いられる器具のプロトタイプを開発した.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.annual57.s50_1