火入れ条件が茶の品質に及ぼす影響

熱風循環式の電気定温器を用い,火入れ条件が茶の品質および化学成分に及ぼす影響を検討し,次の結果を得た。 (1) 茶の火入れ条件としては,茶の品質からみて,熱風温度90~100℃で30分もしくは110℃で20分火入れするのがよいようであった。 (2) 最適条件で火入れしたものは,茶の水分3~4%となり,貯蔵最適水分量を示した。また火入れ温度が高くなるにしたがって,ビタミンCおよびクロロフィルの分解がわずかに増加するようであったが,最適条件の範囲ではその変化はごくわずかであった。 (3) Head space vaporをガスクロマトグラフィーで調べた結果,熱風温度70℃以下で火入れしたものはピー...

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Published in日本食品工業学会誌 Vol. 17; no. 2; pp. 69 - 72
Main Authors 久保田, 悦郎, 原利, 男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 日本食品科学工学会 15.02.1970
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Summary:熱風循環式の電気定温器を用い,火入れ条件が茶の品質および化学成分に及ぼす影響を検討し,次の結果を得た。 (1) 茶の火入れ条件としては,茶の品質からみて,熱風温度90~100℃で30分もしくは110℃で20分火入れするのがよいようであった。 (2) 最適条件で火入れしたものは,茶の水分3~4%となり,貯蔵最適水分量を示した。また火入れ温度が高くなるにしたがって,ビタミンCおよびクロロフィルの分解がわずかに増加するようであったが,最適条件の範囲ではその変化はごくわずかであった。 (3) Head space vaporをガスクロマトグラフィーで調べた結果,熱風温度70℃以下で火入れしたものはピーク1, 2, 3が増加せず,加熱香気はほとんど生じないが,熱風温度80℃以上で火入れしたものは加熱香気がよく生じていることが認められた。
ISSN:0029-0394
DOI:10.3136/nskkk1962.17.69