乳腺専門クリニックの現状と今後

平成19年よりの約1年半の当院初診受診者は5,046名で,年齢は7歳から95歳まで,平均44.5歳である。乳癌症例の平均年齢より約10歳若い。受診者は,北海道全域からの来院があるが,所在地の住民が一番多く,次いで近隣区が多く地域性がある。受診の動機は,当院受診者よりの紹介,知人・家族よりの勧めによる受診者で約60%を占める。他施設よりの紹介は約16%である。最近は乳腺科よりの紹介も増加傾向にある。Second opinionの増加も一因である。 5年前と比較し,受診動機の割合はほぼ不変であるが,乳癌発見率は減少し,最近の発見率は,精査紹介が10.5%,主訴あり受診者が7.0%,検診受診者は0....

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 19; no. 2; pp. 147 - 153
Main Authors 増岡, 秀次, 森, 満, 桜井, 美紀, 吉田, 佳代, 白井, 秀明, 山崎, 弘資, 下川原, 出, 浅石, 和昭, 三神, 俊彦, 三原, 大佳, 野村, 直弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 30.06.2010
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Summary:平成19年よりの約1年半の当院初診受診者は5,046名で,年齢は7歳から95歳まで,平均44.5歳である。乳癌症例の平均年齢より約10歳若い。受診者は,北海道全域からの来院があるが,所在地の住民が一番多く,次いで近隣区が多く地域性がある。受診の動機は,当院受診者よりの紹介,知人・家族よりの勧めによる受診者で約60%を占める。他施設よりの紹介は約16%である。最近は乳腺科よりの紹介も増加傾向にある。Second opinionの増加も一因である。 5年前と比較し,受診動機の割合はほぼ不変であるが,乳癌発見率は減少し,最近の発見率は,精査紹介が10.5%,主訴あり受診者が7.0%,検診受診者は0.9%である。マンモトーム生検,超音波ガイド下細胞診など微小,微細な病変に対する診断の技術の向上により早期癌の発見が増加しているが,乳癌罹患のリスクが低い若年者の受診の増加が発見率の低下に繋がっていると思われる。 乳癌の死亡数を減少させるためには受診率の向上が不可欠であるが,受診者が殺到すると検診機関,精査機関ともに対応が困難となる。その対策として,検診の精度向上とリスクの高いグループを選定し,効率の良い検診を構築する必要があると思われる。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.19.147