CSA に対する前後合併手術後に両側 C5 麻痺をきたした一症例

脊柱管狭窄症を合併したCSA(頚椎症性筋萎縮症)に対し前後合併手術を施行し, 術後に両側C5麻痺が出現した. 圧迫によるC5麻痺と除圧によるC5麻痺を生じた一症例を報告する. 症例:89歳女性 主訴:左上肢脱力. 既往歴 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成13年10月下旬より歩行障害が出現, 同年11月初旬より左上肢脱力を自覚し近医を受診した. 11月中旬より左肩挙上が不能となったため, 精査目的で11月28日, 当院整形外科紹介受診となった. 入院時所見:MMTは左側の三角筋 上腕二頭筋が0, 上腕三頭筋が4と低下していたが, 右側上肢は全てMMT5であった. 左側三角筋 上腕二頭筋...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 3; pp. 714 - 718
Main Authors 吉野, 興一郎, 佐野, 和史, 馬渡, 玲子, 鈴木, 裕彦, 辻, 王成, 大長, 省博, 濱崎, 将弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2004
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.53.714

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Summary:脊柱管狭窄症を合併したCSA(頚椎症性筋萎縮症)に対し前後合併手術を施行し, 術後に両側C5麻痺が出現した. 圧迫によるC5麻痺と除圧によるC5麻痺を生じた一症例を報告する. 症例:89歳女性 主訴:左上肢脱力. 既往歴 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:平成13年10月下旬より歩行障害が出現, 同年11月初旬より左上肢脱力を自覚し近医を受診した. 11月中旬より左肩挙上が不能となったため, 精査目的で11月28日, 当院整形外科紹介受診となった. 入院時所見:MMTは左側の三角筋 上腕二頭筋が0, 上腕三頭筋が4と低下していたが, 右側上肢は全てMMT5であった. 左側三角筋 上腕二頭筋に軽度筋萎縮がみられた. また両側上腕二頭筋, 腕橈骨筋, 上腕三頭筋深部腱反射の亢進を認めた. Hoffmann反射, Wartenberg反射は両側陽性, 両手に軽度の巧緻運動障害を認めた. Jacksonテスト, Spurlingテストは両側陰性. 知覚障害は認めなかった. 入院時X線所見(図1):C4-6高位での脊柱管前後径は12mmと狭窄を認めた. 前後屈動態撮影にて不安定性は認めなかった. 術前MRI所見(図2):C3/4, 4/5に明らかな脊髄圧迫所見を認めた. 特にC4/5においては, 左側椎間板ヘルニアによる圧迫により脊髄神経の扁平化が著明であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.53.714