Chlamydia trachomatis 尿路性器感染症の臨床的検討 第2報 Microplate immunofluorescence antibody technique による岡山地方におけるC. trachomatis 浸淫度調査と不妊症患者の抗体価測定
岡山地方における C. trachomatis の浸淫度および不妊症とクラミジア感染症の関係を明らかにする事を目的とした. 対象は臨床上クラミジア感染症を否定した対照群 (男子173例, 女子162例) と男子不妊症70例と女子不妊症22例とした. 方法は microplate immunofluorescence antibody technique (MFA) によってC. trachomatis L-2株に対するIgGとIgM抗体価, C. psittaci Izawa 株に対するIg抗体価を同一血清について同時に測定し以下の成績をえた. 1)対照群のC. trachomatis に対す...
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Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 77; no. 8; pp. 1245 - 1253 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本泌尿器科学会
20.08.1986
The Japanese Urological Association 社団法人日本泌尿器科学会 |
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ISSN | 0021-5287 1884-7110 |
DOI | 10.5980/jpnjurol1928.77.8_1245 |
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Summary: | 岡山地方における C. trachomatis の浸淫度および不妊症とクラミジア感染症の関係を明らかにする事を目的とした. 対象は臨床上クラミジア感染症を否定した対照群 (男子173例, 女子162例) と男子不妊症70例と女子不妊症22例とした. 方法は microplate immunofluorescence antibody technique (MFA) によってC. trachomatis L-2株に対するIgGとIgM抗体価, C. psittaci Izawa 株に対するIg抗体価を同一血清について同時に測定し以下の成績をえた. 1)対照群のC. trachomatis に対するIgG抗体価陽性率は, 男女共20歳代と60歳代にピークを有し, 平均陽性率は男子14.5%, 女子19.8%で, IgM抗体価陽性例は男子5例, 女子3例をみた. 2)不妊症例の C. trachomatis に対するIgG抗体価陽性率は男子12.9%, 女子4.5%, IgM抗体価陽性例は男女共各1例をみた. 2)精液所見とIgG抗体価陽性率の検討では, azoospermia 群が他群に比し18.7%と高値であり, normogonadotropic azzospermia 10例中3例がIgG抗体価陽性で, 内2例で精路閉塞が証明され, C. trachomatis 尿路性器感染症の後遺症として精路閉塞の可能性も考えられた. 3)精液中に白血球を認める群 (≧10/HPF) のIgG抗体価陽性率25.0%は認めない群の陽性率10.2%に比し高値でC. trachomatis 感染症の関与が窺えた. |
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ISSN: | 0021-5287 1884-7110 |
DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.77.8_1245 |