う蝕を診断をサポートするマイクロpHセンサ

う蝕(むし歯)の進行の程度は我々の生活の質に直結する問題であり、定量診断に基づく適切な治療により口腔内の健康を維持することが望まれている。画像診断、視診、触診などに基づく現在の診断方法は歯科医師の経験や技術に左右されるため、客観的・定量的に診断するデバイスが求められている。う蝕の進行はバクテリアの活動に由来して歯表層のpHと相関していることが知られているものの、詳細な評価を行うデバイスは未だ開発段階である。本研究では、歯科領域で一般的に用いられている歯科用探針に実装することを目的として、小型化・加工性に優れたIr/IrOxワイヤを用いてう蝕の簡便診断を行うマイクロpHセンサを作製した。センサ性...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S53_1
Main Authors Tabata Miyuki, Ratanaropncharoen Chindanai, 北迫 勇一, 池田 正臣, 合田 達郎, 松元 亮, 田上 順次, 宮原 裕二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japanese Society for Medical and Biological Engineering 2019
公益社団法人 日本生体医工学会
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.annual57.s53_1

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Summary:う蝕(むし歯)の進行の程度は我々の生活の質に直結する問題であり、定量診断に基づく適切な治療により口腔内の健康を維持することが望まれている。画像診断、視診、触診などに基づく現在の診断方法は歯科医師の経験や技術に左右されるため、客観的・定量的に診断するデバイスが求められている。う蝕の進行はバクテリアの活動に由来して歯表層のpHと相関していることが知られているものの、詳細な評価を行うデバイスは未だ開発段階である。本研究では、歯科領域で一般的に用いられている歯科用探針に実装することを目的として、小型化・加工性に優れたIr/IrOxワイヤを用いてう蝕の簡便診断を行うマイクロpHセンサを作製した。センサ性能の評価後、本学歯学部倫理審査委員会の承認(承認番号:725)に基づき提供されたヒトの抜去う蝕歯について歯科医師の目視によるう蝕分類後、う蝕表層pH計測によるう蝕のpHマッピングを実施した結果、健康な歯根、非進行性う蝕、進行性う蝕はそれぞれ6.85、6.07、5.30のpH値を有していることが明らかになり、う蝕の進行性を定量的に評価することに成功した。本センサをChair-side deviceとするため、ワイヤレス化に取り組んでいる。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.annual57.s53_1