双熱流法を用いた深部体温測定装置の外気温度による測定精度の検証

我々は熱中症や低体温症の早期発見を目的として、日常的に無拘束で深部体温を計測する装置の開発を行っている。現在市販されている深部体温計は熱流補償法を用いるものが一般的である。熱流補償法はヒータによりセンサを加熱する必要があるため、省電力化,小型軽量化が困難であり日常的に計測することは困難である。そこで我々は双熱流法を用いた深部体温測定装置の開発を行っている。双熱流法は異なる2つの熱流路の温度差から深部体温を推定する方法である。我々のこれまでの研究により有限要素法を用いた推定式により従来の推定式に比べ測定精度が向上することを明らかにしている。しかし、日常生活中の計測を考慮すると、外気温度の変化など...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual57; no. Abstract; p. S56_1
Main Authors 吉村 拓巳, 田村 俊世, 黄 銘, 緒方 徹, 井上 剛伸, 硯川 潤, 高嶋 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japanese Society for Medical and Biological Engineering 2019
公益社団法人 日本生体医工学会
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.annual57.s56_1

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Summary:我々は熱中症や低体温症の早期発見を目的として、日常的に無拘束で深部体温を計測する装置の開発を行っている。現在市販されている深部体温計は熱流補償法を用いるものが一般的である。熱流補償法はヒータによりセンサを加熱する必要があるため、省電力化,小型軽量化が困難であり日常的に計測することは困難である。そこで我々は双熱流法を用いた深部体温測定装置の開発を行っている。双熱流法は異なる2つの熱流路の温度差から深部体温を推定する方法である。我々のこれまでの研究により有限要素法を用いた推定式により従来の推定式に比べ測定精度が向上することを明らかにしている。しかし、日常生活中の計測を考慮すると、外気温度の変化などにより、どの程度精度が変化するのかを明らかにする必要がある。そこで、本研究では、脊髄損傷者を対象として30℃から25℃の室温の変化時における深部体温の推定値を、従来の推定値と我々が提案する推定式で算出し、熱流補償法の深部体温と比較した。実験の結果、我々が提案した深部体温の推定式は、従来の推定式に比べ外気温度の変化に強いことが明らかとなった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.annual57.s56_1