総腸間膜症および腸管重複嚢腫に続発した成人中腸軸捻転症の1例
腸回転異常と空腸腸管重複嚢腫の複合発生異常に続発した上腸間膜軸捻転症の1成人例を報告する. 症例は20歳の男性で, 腹痛を主訴に外来受診した. 腹部CTで肝下面に嚢胞状腫瘤と上腸間膜動静脈を軸としたWhirl signを認め, 腸間膜軸捻転症による絞扼性腸閉塞の診断で緊急開腹手術を施行した. 術中所見では, 盲腸および上行結腸が後腹膜に固定されておらず上腸間膜動静脈を軸として腸管が時計方向に2回転軸捻転を来し, 空腸から横行結腸まで虚血に陥っていた. 捻転解除により腸管の色調は改善した. さらに, トライツ靱帯より約20cmの空腸腸間膜に約7cm大の嚢胞性病変を認め, この部位の小腸部分切除を...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 107 - 112 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2007
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Summary: | 腸回転異常と空腸腸管重複嚢腫の複合発生異常に続発した上腸間膜軸捻転症の1成人例を報告する. 症例は20歳の男性で, 腹痛を主訴に外来受診した. 腹部CTで肝下面に嚢胞状腫瘤と上腸間膜動静脈を軸としたWhirl signを認め, 腸間膜軸捻転症による絞扼性腸閉塞の診断で緊急開腹手術を施行した. 術中所見では, 盲腸および上行結腸が後腹膜に固定されておらず上腸間膜動静脈を軸として腸管が時計方向に2回転軸捻転を来し, 空腸から横行結腸まで虚血に陥っていた. 捻転解除により腸管の色調は改善した. さらに, トライツ靱帯より約20cmの空腸腸間膜に約7cm大の嚢胞性病変を認め, この部位の小腸部分切除を行った. 上行結腸は固定せずそのままとし虫垂を切除した. 切除標本の肉眼検査所見では小腸間膜に腸管との交通のない単房性嚢胞を認めた. 組織学的には嚢胞壁に平滑筋層が存在し, 内腔は呼吸上皮に類似した組織に覆われていた. 腸管重複嚢腫と診断した. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.40.107 |