食道原発gastrointestinal stromal tumorの1例

まれな食道原発gastrointestinal stromal tumor(以下, GIST)を経験したので報告する. 症例は61歳の女性で, つかえ感が出現し, 上部消化管内視鏡検査にて食道粘膜下腫瘍を指摘された. 精査加療目的に当院紹介, CT・MRIにて下部食道に6cm大の分葉状の充実性腫瘍を認めた. 超音波内視鏡検査で固有筋層由来によるものが疑われた. 食道平滑筋腫疑いの診断で経過観察していたが, 6か月後つかえ感が強くなったため, 開腹腫瘍摘出術を施行した. 70×70mmの被膜を伴う分葉状の腫瘍であった. 免疫染色にてc-kit, CD34陽性, Desmin, S-100, α-...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 39; no. 4; pp. 440 - 445
Main Authors 坂本, 吉隆, 佐藤, 永洋, 長尾, 祐一, 福島, 正之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2006
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.39.440

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Summary:まれな食道原発gastrointestinal stromal tumor(以下, GIST)を経験したので報告する. 症例は61歳の女性で, つかえ感が出現し, 上部消化管内視鏡検査にて食道粘膜下腫瘍を指摘された. 精査加療目的に当院紹介, CT・MRIにて下部食道に6cm大の分葉状の充実性腫瘍を認めた. 超音波内視鏡検査で固有筋層由来によるものが疑われた. 食道平滑筋腫疑いの診断で経過観察していたが, 6か月後つかえ感が強くなったため, 開腹腫瘍摘出術を施行した. 70×70mmの被膜を伴う分葉状の腫瘍であった. 免疫染色にてc-kit, CD34陽性, Desmin, S-100, α-SMA, Vimentin陰性であり, GISTと診断された. 局所再発の可能性あり, 食道切除追加を含めたin-formed consentを行い, 現在, 厳重に経過観察中である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.39.440