気管支内異物様物質を伴った炎症性ポリープの1例

症例は68歳の男性. 血痰の精査のために気管支鏡検査を施行した. 気管支鏡下に左主気管支の左上・下幹分岐部付近に複数の分葉状の表面凹凸不整のポリープ, およびポリープを跨るように不整形の黄色板状の異物様物質を認めた. 前者は病理学的に炎症性ポリープと診断された. 異物様物質の除去により約1ヵ月後ポリープは自然消退し, 異物様物質による機械的な刺激が炎症性ポリープの原因と考えられた. 異物様物質に関して外因性の異物を疑って検索したが, 誤嚥の既往がなく, 肉眼的・病理組織学的に明らかな異物として同定ができなかったことより分泌物が何らかの過程で器質化, 石灰化し, 炎症の成因にかかわった可能性も考...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 9; pp. 965 - 968
Main Authors 大森, 繁成, 赤出川, 賢治, 長尾, 啓一, 木村, 弘, 宮沢, 裕, 須田, 明, 栗山, 喬之, 滝口, 裕一, 杉本, 尚昭, 廣島, 健三
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.09.1997
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.35.965

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Summary:症例は68歳の男性. 血痰の精査のために気管支鏡検査を施行した. 気管支鏡下に左主気管支の左上・下幹分岐部付近に複数の分葉状の表面凹凸不整のポリープ, およびポリープを跨るように不整形の黄色板状の異物様物質を認めた. 前者は病理学的に炎症性ポリープと診断された. 異物様物質の除去により約1ヵ月後ポリープは自然消退し, 異物様物質による機械的な刺激が炎症性ポリープの原因と考えられた. 異物様物質に関して外因性の異物を疑って検索したが, 誤嚥の既往がなく, 肉眼的・病理組織学的に明らかな異物として同定ができなかったことより分泌物が何らかの過程で器質化, 石灰化し, 炎症の成因にかかわった可能性も考えられた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.35.965