睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置治療 内視鏡検査による上気道評価と治療効果

口腔内装置治療(OA治療)を行った閉塞性睡眠時無呼吸症候群症例16例を対象に,内視鏡検査での上気道評価に基づく適応の決定と治療効果について検討した.全症例において,OA治療後には無呼吸低呼吸指数は有意に改善していた.一方で,内視鏡検査による下顎前突テストで舌根部の気道断面積が増大しても,いびき音テストにより軟口蓋部が全周性に閉塞する症例では,OA治療の効果が得られにくい傾向があった.口腔内装置治療の適応を検討する際には,上気道形態,脆弱性を観察することが大切であった.また,OA治療では,内視鏡検査による上気道形態の評価に基づいた適応の決定と終夜睡眠ポリグラフ検査による治療効果の判定を行うべきで...

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 36; no. 2; pp. 166 - 171
Main Authors 佐藤, 公宣, 千年, 俊一, 梅野, 博仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2023
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Summary:口腔内装置治療(OA治療)を行った閉塞性睡眠時無呼吸症候群症例16例を対象に,内視鏡検査での上気道評価に基づく適応の決定と治療効果について検討した.全症例において,OA治療後には無呼吸低呼吸指数は有意に改善していた.一方で,内視鏡検査による下顎前突テストで舌根部の気道断面積が増大しても,いびき音テストにより軟口蓋部が全周性に閉塞する症例では,OA治療の効果が得られにくい傾向があった.口腔内装置治療の適応を検討する際には,上気道形態,脆弱性を観察することが大切であった.また,OA治療では,内視鏡検査による上気道形態の評価に基づいた適応の決定と終夜睡眠ポリグラフ検査による治療効果の判定を行うべきであると考えられた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.36.166