実験的ブレオマイシン肺線維症に対するエラスターゼの抑制効果について

ウィスター系ラットに, ブタ膵由来エラスターゼ (ELA, 3450EL・U/kg) を連日10週間, ブレオマイシン (BLM) 0.5mgを週2回5週間投与した. 投与方法により以下5群に分けた. I群: ELAを5週間投与し, 第6週目よりBLMを併用投与. II群: ELAとBLMを5週間併用投与し, その後ELAのみさらに5週間投与. III群: BLMを5週間投与し, その後ELAのみ10週間投与, IV群: BLMのみ5週間投与. V群: ELAのみ10週間投与. 各ラットの肺の線維化および単核細胞浸潤について組織学的に観察した. 肺線維化および単核細胞浸潤は, IV群では著明に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 23; no. 5; pp. 557 - 562
Main Authors 成松, 博, 中島, 宏昭, 平泉, 隆, 会田, 秀介, 井出, 宏嗣, 高橋, 昭三
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.05.1985
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:ウィスター系ラットに, ブタ膵由来エラスターゼ (ELA, 3450EL・U/kg) を連日10週間, ブレオマイシン (BLM) 0.5mgを週2回5週間投与した. 投与方法により以下5群に分けた. I群: ELAを5週間投与し, 第6週目よりBLMを併用投与. II群: ELAとBLMを5週間併用投与し, その後ELAのみさらに5週間投与. III群: BLMを5週間投与し, その後ELAのみ10週間投与, IV群: BLMのみ5週間投与. V群: ELAのみ10週間投与. 各ラットの肺の線維化および単核細胞浸潤について組織学的に観察した. 肺線維化および単核細胞浸潤は, IV群では著明に認められたが, V群では認められなかった. I, II, III群では, 線維化および単核細胞浸潤は軽度かあるいは認められない例が多く, 抑制傾向を認めた. とくに線維化はI群において, 単核細胞浸潤はI, II群においてより抑制された. ELAは肺線維化および単核細胞浸潤の抑制効果を示した.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.23.557