術前診断が困難であったITPNの1例

症例は47歳女性で,糖尿病にて当院内科フォロー中であった.スクリーニング目的の腹部USで膵頭部にmassを認め,PET-CTで同部位にSUV max 3.8の集積を認めた.また,MRCPでは膵頭部において主膵管は途絶しており,その末梢で主膵管の拡張を認めた.膵臓癌cT1N0M0 Stage Iの診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.術後の病理組織学的診断はintraductal tubulopapillary neoplasm(以下,ITPNと略記)であった.術後合併症もなく,2年6か月経過した現在,再発は認めていない.ITPNは膵管内腫瘍に分類される新しい疾患概念で,非常にまれであり,通常型膵...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 46; no. 3; pp. 196 - 202
Main Authors 森本, 脩邦, 元木, 祥行, 柴田, 邦隆, 福崎, 孝幸, 足立, 真一, 平尾, 隆文, 岡野, 美穂, 竹内, 真, 松下, 克則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 20.03.2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2011.0312

Cover

More Information
Summary:症例は47歳女性で,糖尿病にて当院内科フォロー中であった.スクリーニング目的の腹部USで膵頭部にmassを認め,PET-CTで同部位にSUV max 3.8の集積を認めた.また,MRCPでは膵頭部において主膵管は途絶しており,その末梢で主膵管の拡張を認めた.膵臓癌cT1N0M0 Stage Iの診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.術後の病理組織学的診断はintraductal tubulopapillary neoplasm(以下,ITPNと略記)であった.術後合併症もなく,2年6か月経過した現在,再発は認めていない.ITPNは膵管内腫瘍に分類される新しい疾患概念で,非常にまれであり,通常型膵臓癌やその他の膵管内腫瘍との鑑別が重要である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2011.0312