HTLV-Iキャリアにみられた間質性肺炎の1例

症例は31歳女性. 呼吸困難難感を主訴に受診し, 動脈血ガス分析でPaO2 54Torr の低酸素血症と胸部X線写真で下肺野を中心とするスリガラス状影にて入院した. 当初, 画像的には過敏性肺臓炎を疑ったが, 入院加療によっても低酸素血症は改善せず, 血清学的にもトリコスポロンクタネウムに対する抗体も証明されなかった. 胸部CTでは全肺野にびまん性の肺野濃度の上昇を認め, BALではリンパ球分画が73%と著増し, TBLBからは高度の胞隔炎が証明された. HTLV-I抗体が陽性でありその他の間質性肺炎が否定的であるためHTLV-I関連肺疾患が考えられた....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 2; pp. 184 - 188
Main Authors 清水, 孝一, 鈴木, 道明, 仲谷, 善彰, 坂本, 匡一, 岩瀬, 彰彦, 青木, 茂行, 松岡, 緑郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.02.1997
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Summary:症例は31歳女性. 呼吸困難難感を主訴に受診し, 動脈血ガス分析でPaO2 54Torr の低酸素血症と胸部X線写真で下肺野を中心とするスリガラス状影にて入院した. 当初, 画像的には過敏性肺臓炎を疑ったが, 入院加療によっても低酸素血症は改善せず, 血清学的にもトリコスポロンクタネウムに対する抗体も証明されなかった. 胸部CTでは全肺野にびまん性の肺野濃度の上昇を認め, BALではリンパ球分画が73%と著増し, TBLBからは高度の胞隔炎が証明された. HTLV-I抗体が陽性でありその他の間質性肺炎が否定的であるためHTLV-I関連肺疾患が考えられた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.35.184