Press-through-package誤飲による回腸穿孔性腹膜炎の1例

Press-through-package (PTP) 誤飲による穿孔性腹膜炎の1例を経験した. 症例は77歳の男性.下腹部痛を主訴に来院.腹部CTにて大腸憩室と腹水を認め, 開腹術を行った. しかし大腸憩室の穿孔はなく, 空腸にPTPによる穿孔が認められたため, 楔状切除した. PTP誤飲による消化管穿孔は, 患者の誤飲認識が無い場合が多く, 診断に難渋する. そこで誤飲されたPTPが, CT上どのように描出されるかについての実験的検討を行った. 円筒型の腸管モデルを作製し, 中にPTPを入れてCTを2方向で撮影した. PTPは内側からhigh, low, ややlow densityという3...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 3; pp. 317 - 321
Main Authors 井川, 理, 土橋, 洋史, 松村, 博臣, 竹中, 温, 泉, 浩, 宮田, 圭悟, 飯塚, 亮二, 藤井, 宏二, 柿原, 直樹, 高橋, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2002
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.35.317

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Summary:Press-through-package (PTP) 誤飲による穿孔性腹膜炎の1例を経験した. 症例は77歳の男性.下腹部痛を主訴に来院.腹部CTにて大腸憩室と腹水を認め, 開腹術を行った. しかし大腸憩室の穿孔はなく, 空腸にPTPによる穿孔が認められたため, 楔状切除した. PTP誤飲による消化管穿孔は, 患者の誤飲認識が無い場合が多く, 診断に難渋する. そこで誤飲されたPTPが, CT上どのように描出されるかについての実験的検討を行った. 円筒型の腸管モデルを作製し, 中にPTPを入れてCTを2方向で撮影した. PTPは内側からhigh, low, ややlow densityという3層のターゲット状の像を呈した. このようにPTP誤飲による穿孔性腹膜炎の診断において腹部CTは有用である. 穿孔が疑われた場合は, 手術の適応になる. 誤飲を防止するには, 患者の啓蒙やPTPの材質の改良が大切である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.35.317