虫垂炎の臨床的検討

1973年から1982年までに当科において経験した虫垂炎手術症例4251例中, 手術所見の不明な40例を除いた4, 211例に統計的検討を加えた. 他疾患群395例を除いた3, 816例中, 虫垂正常群5.4%, カタル性群38.4%, 蜂窩織炎性群36.5%, 壊疸性群10.0%, 穿孔群9.7%であり, 幼少群, 高齢者群では穿孔群が多かった. 下痢, 嘔吐は各病型群間で有意な差はなかったが, 37.5℃以上の発熱例, 腹膜刺激症状陽性例, 10, 000/mm3以上の白血球数増多例は進行した病型ほど多かった. 高齢者群では約40%は穿孔群でも腹膜刺激症状, 白血球数増多を認めかなかった....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 18; no. 5; pp. 952 - 960
Main Authors 宮地, 正彦, 蜂須賀, 喜多男, 山口, 晃弘, 近藤, 哲, 堀, 明洋, 広瀬, 省吾, 深田, 伸二, 碓氷, 章彦, 渡辺, 英世, 石橋, 宏之, 加藤, 純爾, 神田, 裕, 松下, 昌裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1985
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Summary:1973年から1982年までに当科において経験した虫垂炎手術症例4251例中, 手術所見の不明な40例を除いた4, 211例に統計的検討を加えた. 他疾患群395例を除いた3, 816例中, 虫垂正常群5.4%, カタル性群38.4%, 蜂窩織炎性群36.5%, 壊疸性群10.0%, 穿孔群9.7%であり, 幼少群, 高齢者群では穿孔群が多かった. 下痢, 嘔吐は各病型群間で有意な差はなかったが, 37.5℃以上の発熱例, 腹膜刺激症状陽性例, 10, 000/mm3以上の白血球数増多例は進行した病型ほど多かった. 高齢者群では約40%は穿孔群でも腹膜刺激症状, 白血球数増多を認めかなかった. 術後早期合併症は7.5%であり, 虫垂炎術後の死亡例は5例 (0.13%) であった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.18.952