Brunner腺由来と考えられた十二指腸原発印環細胞癌の1例

症例は57歳の男性. 1994年より, 多発十二指腸ポリープにて経過観察されていた. 1999年4月の上部消化管内視鏡検査にてポリープに混在する2型腫瘍を認め, 生検にて低分化腺癌との結果を得, 6月, 原発性十二指腸癌の診断のもと, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 腫瘍は十二指腸第2部のファーター乳頭上部にあり, 1.5×1.2cm, 2型, 印環細胞癌, mp, ly0, v0, INFβ, n (-) であった. 併存する多発十二指腸ポリープは, 異所性胃粘膜を有していた. 腫瘍細胞の由来を検索すべく施行した粘液染色では, 幽門腺やBrunner腺を染めるperiodic acid-sc...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 4; pp. 260 - 265
Main Authors 有我, 隆光, 木下, 弘寿, 宮本, 健志, 河村, 俊治, 尾崎, 正彦, 吉村, 清司, 大月, 和宣, 大島, 郁也, 庄古, 知久, 角田, 幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2003
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.36.260

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Summary:症例は57歳の男性. 1994年より, 多発十二指腸ポリープにて経過観察されていた. 1999年4月の上部消化管内視鏡検査にてポリープに混在する2型腫瘍を認め, 生検にて低分化腺癌との結果を得, 6月, 原発性十二指腸癌の診断のもと, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 腫瘍は十二指腸第2部のファーター乳頭上部にあり, 1.5×1.2cm, 2型, 印環細胞癌, mp, ly0, v0, INFβ, n (-) であった. 併存する多発十二指腸ポリープは, 異所性胃粘膜を有していた. 腫瘍細胞の由来を検索すべく施行した粘液染色では, 幽門腺やBrunner腺を染めるperiodic acid-schiff (PAS) 陽性で, さらにconcanavalin A (con A) 陰性, high iron diamine-alcian blue (HID-AB) 陽性の腸型であった. 腫瘍は, 併存するポリープの異所性胃粘膜由来でなく, Brunner腺由来と考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.36.260