特発性間質性肺炎のクラスター分析による臨床病態分類

特発性間質性肺炎と診断された43症例を, その臨床病態30項目 (自覚症状と他覚所見5項目, 胸部X線写真所見10項目, 呼吸機能検査所見8項目, 血液, 生化学, 免疫学的検査所見7項目)についてクラスター分析を行い, I群(Ia群とIb群)とII群に大きく分類した. I群は比較的急性の重症型で, 従来の原因不明の肺線維症の定型像とほぼ一致する病像を呈していたが, その中でも気道系の障害の存在が示唆され, 慢性進行型と考えられるIa群と, 気道系の障害を示唆する所見に乏しく, 細胞性免疫能の低下が推測され, 急性進行型と考えられるIb群に分かれた. II群は慢性の軽症型で, その病像は従来の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 22; no. 9; pp. 783 - 794
Main Author 藤屋, 秀一
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.09.1984
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:特発性間質性肺炎と診断された43症例を, その臨床病態30項目 (自覚症状と他覚所見5項目, 胸部X線写真所見10項目, 呼吸機能検査所見8項目, 血液, 生化学, 免疫学的検査所見7項目)についてクラスター分析を行い, I群(Ia群とIb群)とII群に大きく分類した. I群は比較的急性の重症型で, 従来の原因不明の肺線維症の定型像とほぼ一致する病像を呈していたが, その中でも気道系の障害の存在が示唆され, 慢性進行型と考えられるIa群と, 気道系の障害を示唆する所見に乏しく, 細胞性免疫能の低下が推測され, 急性進行型と考えられるIb群に分かれた. II群は慢性の軽症型で, その病像は従来の原因不明の肺線維症では特殊型と考えられる超慢性進行型, 気管支周囲型, 非定型例などと共通する部分も多く非定型的で, 定型群に対して“非定型群”として区別された.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.22.783