慢性腎不全患者における開心術の経験

末期腎不全に至る前の慢性腎不全2症例に開心術を施行した. 症例1: 48歳, 糖尿病性腎症よりの慢性腎不全の急性増悪状態を腹膜透析にてコントロール中に心房中隔欠損症の閉鎖術を受けた. 症例2: 54歳女, 動脈硬化性腎硬化症よりの慢性腎不全で, 血清クレアチニン4.6mg/dlの状態にて僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症に対して僧帽弁置換術を受けた. 術中血液透析や限外濾過を併用することなく, 術後の経過は良好であった. 慢性血液透析症例での開心術の報告は多く見られるが, 術中, 術後の管理が大変であり, また術後の合併症にて死亡する症例も少なくない事より, 慢性腎不全で開心術が必要な症例ではできるだけ早...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本透析療法学会雑誌 Vol. 22; no. 2; pp. 179 - 183
Main Authors 原田, 篤実, 松井, 完治, 山田, 明, 河野, 博之, 稲永, 隆, 福山, 尚哉, 大蔵, 隆文, 田中, 宏志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本透析医学会 28.02.1989
Online AccessGet full text
ISSN0911-5889
1884-6211
DOI10.4009/jsdt1985.22.179

Cover

More Information
Summary:末期腎不全に至る前の慢性腎不全2症例に開心術を施行した. 症例1: 48歳, 糖尿病性腎症よりの慢性腎不全の急性増悪状態を腹膜透析にてコントロール中に心房中隔欠損症の閉鎖術を受けた. 症例2: 54歳女, 動脈硬化性腎硬化症よりの慢性腎不全で, 血清クレアチニン4.6mg/dlの状態にて僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症に対して僧帽弁置換術を受けた. 術中血液透析や限外濾過を併用することなく, 術後の経過は良好であった. 慢性血液透析症例での開心術の報告は多く見られるが, 術中, 術後の管理が大変であり, また術後の合併症にて死亡する症例も少なくない事より, 慢性腎不全で開心術が必要な症例ではできるだけ早期に処置すべきと考えられる.
ISSN:0911-5889
1884-6211
DOI:10.4009/jsdt1985.22.179