骨シンチにて多発異常集積像を示し, 肺癌骨転移が疑われた結核性骨髄炎の1例
症例は48歳の男性で, 頸部・腰部痛を主訴とした. 胸郎X線写真上, 左肺門部に腫瘤影を認めたため, 肺癌が疑われた. 骨シンチでは全身に多発集積像がみられ, 肺癌の骨転移との診断で入院した. 気管支鏡検査ではむしろ, 肺結核が疑われたので抗結核剤の投与を行った. 1ヵ月後の骨シンチでも多発集積像に変化が現れないため, 集積がみられる肋骨を部分切除したところ, 結核性骨髄炎との診断を得た. 1年後の胸部X線写真及び, 骨シンチは正常化した. 骨シンチ上, 多発集積像がみられれば, 一般には骨転移を疑うが, 本例は骨の生検により確定診断が得られ, 無用な治療や開胸術がさけられた1例である....
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 29; no. 6; pp. 753 - 757 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.06.1991
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.29.753 |
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Summary: | 症例は48歳の男性で, 頸部・腰部痛を主訴とした. 胸郎X線写真上, 左肺門部に腫瘤影を認めたため, 肺癌が疑われた. 骨シンチでは全身に多発集積像がみられ, 肺癌の骨転移との診断で入院した. 気管支鏡検査ではむしろ, 肺結核が疑われたので抗結核剤の投与を行った. 1ヵ月後の骨シンチでも多発集積像に変化が現れないため, 集積がみられる肋骨を部分切除したところ, 結核性骨髄炎との診断を得た. 1年後の胸部X線写真及び, 骨シンチは正常化した. 骨シンチ上, 多発集積像がみられれば, 一般には骨転移を疑うが, 本例は骨の生検により確定診断が得られ, 無用な治療や開胸術がさけられた1例である. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.29.753 |