健康診断の成績と死亡原因との関係について

健康診断受診者36, 280人 (男性: 29, 191人, 女性: 7, 089人) を対象にして, 健康診断受診後2年以内に死亡した人々の死亡原因を調べるとともに, 死亡原因と健康診断結果と関連を追求した。 死亡者は78人 (0.21%) で, 性別では男性68人 (0.23%) , 女性10人 (0.14%) であったが, 健康診断時に治療中のものや自殺者を除く死亡者は, 58人 (0.16%) であった。 疾病別の死因順位は, 男性の場合, 第1位が悪性新生物, 第2位が肝硬変, 第3位が心臓疾患・脳血管疾患・自殺の順であり, 女性の場合, 第1位が悪性新生物, 第2位が心臓疾患であっ...

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Published in日本総合健診医学会誌 Vol. 25; no. 4; pp. 379 - 384
Main Authors 鈴木, 哲郎, 斎藤, 征夫, 高橋, 玲, 青山, 典裕, 大塚, 亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合健診医学会 20.12.1998
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ISSN0911-1840
1884-409X
DOI10.7143/jhep1985.25.379

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Summary:健康診断受診者36, 280人 (男性: 29, 191人, 女性: 7, 089人) を対象にして, 健康診断受診後2年以内に死亡した人々の死亡原因を調べるとともに, 死亡原因と健康診断結果と関連を追求した。 死亡者は78人 (0.21%) で, 性別では男性68人 (0.23%) , 女性10人 (0.14%) であったが, 健康診断時に治療中のものや自殺者を除く死亡者は, 58人 (0.16%) であった。 疾病別の死因順位は, 男性の場合, 第1位が悪性新生物, 第2位が肝硬変, 第3位が心臓疾患・脳血管疾患・自殺の順であり, 女性の場合, 第1位が悪性新生物, 第2位が心臓疾患であった。 悪性新生物の部位別では第1位が胃, 第2位が肺, 第3位が大腸の順であった。 胃癌は胃X線検査, 大腸癌は便潜血検査が有効であるが, 肺癌は喀痰検査が有効でなく, 胸部X線検査で発見されてもすでに転移している場合が少なくない。 肝硬変は, B型・C型肝炎ウイルスが原因で, 健康診断時に全例治療中であった。 心臓疾患の多くは心筋梗塞で, この心筋梗塞や脳血管疾患は急性疾患であるため, 当然のことながら, 健康診断で発見することは困難であるとともに, 健康診断結果からも予知は不可能であった。 しかし, 健康診断を用いての健康管理は, これらの疾患の危険因子を除去することが可能なので ある。
ISSN:0911-1840
1884-409X
DOI:10.7143/jhep1985.25.379