右室梗塞に伴う右心不全に対するRVADの効果 特に心筋局所血流量及び心外膜マッピング心電図からの検討

ブタの右冠動脈分枝を順次結紮して, 右室梗塞に伴う右心不全モデルを作成し, 右心補助人工心臓(RVAD)と大動脈内バルーンパンピング(IABP)を各々, 単独に又は併用して使用し, 各種血行動態, 及び心筋局所血流量, 心外膜心電図より評価した梗塞領域への効果について比較検討した。 梗塞作成後, 心拍出量の低下, 心拍数の増加, 中心静脈圧の上昇, 右室拡張末期圧の上昇, 右室の拡張などにより右心不全に伴う心原性ショックが確認された。 IABPを単独に施行すると, 右室梗塞縮小効果は, 認められるが, 右心補助効果は, 少なかった。 RVAD単独使用例では, 右室前負荷の軽減, 右室仕事量の低...

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Published in人工臓器 Vol. 17; no. 3; pp. 910 - 913
Main Authors 鈴木, 修, 長谷川, 隆光, 塩野, 元美, 小笠原, 弘二, 折目由, 紀彦, 並木, 義夫, 畑, 博明, 長坂, 不二夫, 栗原, 和直, 八木, 進也, 山本, 知則, 塚本, 三重生, 古賀, 守, 瀬在, 幸安
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.06.1988
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Summary:ブタの右冠動脈分枝を順次結紮して, 右室梗塞に伴う右心不全モデルを作成し, 右心補助人工心臓(RVAD)と大動脈内バルーンパンピング(IABP)を各々, 単独に又は併用して使用し, 各種血行動態, 及び心筋局所血流量, 心外膜心電図より評価した梗塞領域への効果について比較検討した。 梗塞作成後, 心拍出量の低下, 心拍数の増加, 中心静脈圧の上昇, 右室拡張末期圧の上昇, 右室の拡張などにより右心不全に伴う心原性ショックが確認された。 IABPを単独に施行すると, 右室梗塞縮小効果は, 認められるが, 右心補助効果は, 少なかった。 RVAD単独使用例では, 右室前負荷の軽減, 右室仕事量の低下をもたらし, 梗塞領域縮小効果を示した。両者を併用すると, 梗塞領域縮小効果, 及び右室負荷軽減効果は, 最も著明で, 急性右心不全に伴う心原性ショックに対して有効な補助手段と思われた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.17.910