レ線上副鼻腔異常を認めない気管支拡張症の検討
過去10年間に本院において気管支造影あるいは肺高分解能CTで気管支拡張症と診断され, かつレ線上副鼻腔異常がまったくないと判定された14例の臨床的特徴を検討した. その内訳は中年女性の中葉舌区症候群が7例 (50%) で, そのほかに幼少時の気管支肺疾患に続発したと考えられる限局性拡張症3例 (22%), 先天性と考えられるびまん性嚢状拡張症2例 (14%) などが存在した. 血痰を主症状とするものが10例 (71%), 乾性咳嗽1例 (7%), 無症状2例 (14%) で慢性の咳嗽, 喀痰を有するものは1例 (7%) のみであった. 喀痰培養で有意菌の持続感染を認める症例はなかった. 肺機能...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 28; no. 4; pp. 551 - 557 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.04.1990
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Summary: | 過去10年間に本院において気管支造影あるいは肺高分解能CTで気管支拡張症と診断され, かつレ線上副鼻腔異常がまったくないと判定された14例の臨床的特徴を検討した. その内訳は中年女性の中葉舌区症候群が7例 (50%) で, そのほかに幼少時の気管支肺疾患に続発したと考えられる限局性拡張症3例 (22%), 先天性と考えられるびまん性嚢状拡張症2例 (14%) などが存在した. 血痰を主症状とするものが10例 (71%), 乾性咳嗽1例 (7%), 無症状2例 (14%) で慢性の咳嗽, 喀痰を有するものは1例 (7%) のみであった. 喀痰培養で有意菌の持続感染を認める症例はなかった. 肺機能は多くの場合, 特に中葉舌区症候群でほぼ正常であった. このような臨床像は副鼻腔気管支症候群に含まれる気管支拡張症とは大きく異なり, 気管支拡張症には相異なるこれら二つの群が存在することが示唆された. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.28.551 |