Omniscience弁弁置換術症例の遠隔期臨床成績 心エコー法、運動時最大開放角度による弁機能の検討

Omniscience弁による人工弁置換術63例(68弁)について、遠隔期臨床成績および心機能、弁機能を非侵襲的な方法を用いて検討した。血栓塞栓症、血栓弁は2例(2.2/100pt-yr)でその他の合併症も少なく、NYHAはほぼ全例が改善し、臨床成績は良好であったといえる。 心エコー及びドップラー法による僧帽弁有効弁口面積は平均1.85±0.42cm2で、他の弁に比して遜色のない値が得られた。安静時最大開放角度は大動脈弁置換術例では平均47±9°で45°未満の開放不全例が12例(41%)あり、僧帽弁置換術例では平均40±7°で40°未満の開放不全例が14例(56%)あった。運動負荷後では最大開...

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Published in人工臓器 Vol. 16; no. 1; pp. 335 - 339
Main Authors 澤崎, 優, 大原, 康寿, 高木, 靖, 平手, 裕市, 浅井, 忠彦, 宮田, 義弥, 大宮, 孝, 石原, 智嘉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1987
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Summary:Omniscience弁による人工弁置換術63例(68弁)について、遠隔期臨床成績および心機能、弁機能を非侵襲的な方法を用いて検討した。血栓塞栓症、血栓弁は2例(2.2/100pt-yr)でその他の合併症も少なく、NYHAはほぼ全例が改善し、臨床成績は良好であったといえる。 心エコー及びドップラー法による僧帽弁有効弁口面積は平均1.85±0.42cm2で、他の弁に比して遜色のない値が得られた。安静時最大開放角度は大動脈弁置換術例では平均47±9°で45°未満の開放不全例が12例(41%)あり、僧帽弁置換術例では平均40±7°で40°未満の開放不全例が14例(56%)あった。運動負荷後では最大開放角度はそれぞれ60±14°、47±12°と増加し、開放不全例はそれぞれ4例、5例に減少したが、他の報告に比して最大開放角度は小さく開放不全例は多かった。今後とも厳重な観察が必要である。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.16.335