新入社員のエイズに対する意識調査と健康教育の必要性について

鉄鋼関連企業の新入社員 (平均年齢18.8歳, 男性39例, 女性22例) にエイズに関する健康教育前後にアンケート調査を行い, 以下の結果を得た. 講義前アンケート結果では, エイズに関して間違った知識も多く, エイズに対する社会防衛的態度・差別的態度はエイズの感染予防に関する知識と有意の逆相関があった. エイズという病名から連想する言葉を記載する質問では, 感染経路に関する言葉をあげた者が21名, 死・不治に関する言葉をあげた者が37名, 症状, 予防に関する言葉をあげた者は4名であった. 講義後アンケート結果ではエイズに対する社会防衛的態度尺度・差別的態度尺度は有意に減少し, HIV感染...

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Published in環境感染 Vol. 11; no. 2; pp. 147 - 155
Main Author 黒田, 真理子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本環境感染学会 30.09.1996
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ISSN0918-3337
1884-2429
DOI10.11550/jsei1986.11.147

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Summary:鉄鋼関連企業の新入社員 (平均年齢18.8歳, 男性39例, 女性22例) にエイズに関する健康教育前後にアンケート調査を行い, 以下の結果を得た. 講義前アンケート結果では, エイズに関して間違った知識も多く, エイズに対する社会防衛的態度・差別的態度はエイズの感染予防に関する知識と有意の逆相関があった. エイズという病名から連想する言葉を記載する質問では, 感染経路に関する言葉をあげた者が21名, 死・不治に関する言葉をあげた者が37名, 症状, 予防に関する言葉をあげた者は4名であった. 講義後アンケート結果ではエイズに対する社会防衛的態度尺度・差別的態度尺度は有意に減少し, HIV感染者に対する態度は望ましい方向に変化している. この結果から, エイズに関する健康教育は正しい知識を持つことにより, エイズの偏見を少なくする効果があるといえる.
ISSN:0918-3337
1884-2429
DOI:10.11550/jsei1986.11.147