閉塞性動脈硬化症に対する新しい治療法 Atherectomy catheterによる血管形成術

Simpsonらの開発したatherectomy catheterを用いて, 血管モデルによる実験的検討, および, ASO6症例に臨床応用し, その効果と問題点について検討した。 直線状, 屈曲, 分岐した血管モデルに限局性狭窄を作製し, これをeatheterを用いて切除した。臨床例は, 限局性狭窄を有し, 末梢のrun offのよいASO6例(外腸骨動脈4例, 浅大腿動脈2例)に対しatherectomyを施行した。うち5例においては, 狭窄の解除, 末梢血流の増加, 症状の改善を認めたが, 1例においては, 血管の屈曲が高度の為, 病変部位の切除が不能であった。 また, 塞栓, 穿孔等...

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Published in人工臓器 Vol. 17; no. 2; pp. 779 - 782
Main Authors 鈴木, 克行, 瀬在, 幸安, 前田, 英明, 渡井, 健男, 河野, 秀雄, 新野, 成隆, 根岸, 七雄, 尾碕, 俊造, 石井, 良幸, 篠原, 裕希, 萩原, 秀男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.04.1988
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.17.779

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Summary:Simpsonらの開発したatherectomy catheterを用いて, 血管モデルによる実験的検討, および, ASO6症例に臨床応用し, その効果と問題点について検討した。 直線状, 屈曲, 分岐した血管モデルに限局性狭窄を作製し, これをeatheterを用いて切除した。臨床例は, 限局性狭窄を有し, 末梢のrun offのよいASO6例(外腸骨動脈4例, 浅大腿動脈2例)に対しatherectomyを施行した。うち5例においては, 狭窄の解除, 末梢血流の増加, 症状の改善を認めたが, 1例においては, 血管の屈曲が高度の為, 病変部位の切除が不能であった。 また, 塞栓, 穿孔等の合併症は1例も認めなかった。atherectomy catheterによる血管形成術は, PTAに比べ合併症を起こす危険性が少なく, 組織学的にも侵襲が少なく, ASOKよる限局性狭窄病変に対し, 効果的な治療法であると思われた。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.17.779